家庭内別居からの修復

近年「婚活」という言葉が定着しています。
日本の婚姻率は年々高齢化し、出生率の低下を招き、将来の日本を案じる社会問題とも言われています。
「婚活」とは、結婚するための積極的な活動のことを指します。
つまり、積極的に活動しないと結婚も難しい時代です。

 

以前、婚活中の男女と話をする機会がありました。
みなさん口をそろえて「結婚したい」と言います。
彼らと話をしていると、彼等の多くが「結婚=ゴール」だと捉えている方が多いなと感じました。
結婚願望があり、結婚したいけれど結婚相手が見つからない彼等にとって、まさに結婚はゴールであり、あたかも「結婚すれば必ず幸せになれる」理想を描いている気がしました。

 

しかし、現実はどうでしょうか?

 

結婚した夫婦の全てが幸せに暮らしているわけではありません。
結婚難時代と言われる一方で、離婚率の増加も増え続けているのです。
離婚まで至らなくても、一つ屋根の下に暮らしながらすでに夫婦関係は崩壊し、「家庭内別居」で暮らしている夫婦も多いと言われています。

 

外からは見えない家庭内別居。
体裁は保たれるので「離婚」や「別居」よりいいだろうと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、考えようによっては苦痛以外の何ものでもなく、苦痛に不感症になれる位でなければ精神的に参ってしまう方が多いです。

 

家庭内別居

1.すでに離婚する話し合いが進んでいる。

離婚する意志が決まっているのであれば、離婚することで受ける様々なことを考えなければなりません。
精神的にも肉体的にも結婚よりパワーを使うと言われている離婚。
生活そのものが変わるわけですから、経済的な苦痛も伴うことも考えられます。
離婚後のあらゆる未来をきちんと想定した上で離婚に対する話し合いをしましょう。
離婚に伴うリスクを話しあっている内に、もう一度やり直すことを決意する方も少なくありません。
リスクを直視することで、家庭があることのありがたみを感じるかもしれませんね。
リスクを考えた上でも離婚する意志が変わらないのであれば、それはそれで正しい選択だと思います。

 

 

2.離婚する意志はないが、愛情は冷めている。

共に暮らしていながらお互い、もしくは片方が相手を必要としていない冷めた関係です。
実はこのケースは厄介で、相手に対する嫌悪感すら感じなくなっている方が多く、特になにも感じることなく一つ屋根の下で生活をすることが出来ています。
このケースの家庭内別居は永遠と続くわけがなく、かと言って話し合うきっかけすら失っています。お互いが折れず近づかず意地を張っているとも言えるかもしれません。

 

しかし、離婚を考えないということは、心のどこかで元どおりに戻りたいという気持ちが残っているのではないでしょうか。
勇気を振り絞って、「これからの事を話し合いたい」と声をかけてみましょう。
言わなくても解る二人ではありません。
家庭内別居している以上、言葉にださなければわかりあえないのです。

 

 

家庭内別居を修復するには、自分の悪い所を直す努力も必要ですが、相手に興味を持ってもらう努力も必要です。
そしてこれはどちらか一方が努力しても意味がありません。

 

二人で話し合いをして、双方が修復に向けて努力する意志があるのであれば、元通りの仲良し夫婦に戻る可能性は残っています。

 

元々他人同士の夫婦だからこそ、意地を張らず、プライドを捨て、素直に腹の内を話してみてはいかがでしょうか。

 

人生の中で、離婚と再婚をくり返している方でさえ、限られた相手としか夫婦にはなれません。
夫婦になったということは、ものすごく貴重な縁だということ。

 

その切れかかっている縁を再び強くすることが出来るのも夫婦にしかできません。