気を使うのではなく、気を配れ

恋人や夫婦間の「浮気」トラブルは、魅力的な第三者である浮気相手が現れたから「浮気」に発展したのではありません。
浮気した方の心の中に、何かパートナーでは満たされない不満や欲求があり、たまたまそこに補ってくれる相手が現れたので浮気してしまった。
「浮気」トラブルの多くを見ていて感じました。

 

そして、もう一つ気がついたことがあります。
それは男女間の恋人や夫婦という近い存在であっても、お互いに気を配ることで円滑な関係が結びやすくなります。
しかし、「気を使う」ことをしても「気を配る」ことをしない方が増えている現代。
そこに男女間のトラブルや、人間関係がうまくいかないヒントがあるのかもしれません。

 

今回は、トラブルの種を取り除くべく、「気を使う」と「気を配る」についてお伝えしていきます。
なんとなく今彼との間がしっくりこない…と感じている方には参考になると思います。

 

気を使う

 

「少しはお前も気を使えよ~」なんて言葉を職場で時々聞くことがありますが、あなたは周りに気を使う方だと思いますか?
そもそも「気を使う」というのは、気を使うことで「相手から良くみられたい。自分をもっと評価してもらいたい。好印象を与えたい」ということで行う行為です。
職場の人間関係や上司からよく思われたい、評価されたいという時に「気に入られよう」とする行動。
言い換えれば「気を使う」というのは「自分のため」にしていること。
関連することばで「気疲れ」という言葉がありますが、これは「気を使う」ことで疲れた時のことを指しています。
相手に気に入られようとして一生懸命顔色を見るから疲れる。
一人になった時に「あー、疲れたー」と倒れ込んでいる方も多いのではないでしょうか。
もし、これが男女間の恋愛関係や夫婦関係、家庭内だとしたらどうですか?
恋人同士で、夫婦間で、家庭の中で、常に相手に気に入られようと気を使ってばかりいたとしたら?
恐らく使う人も使われる人も疲れてへとへとになるでしょう。
だって常に神経が相手の反応に注がれて(反応を見られて)気が休まるどころではありません。

 

 

気を配る

 

それに対して、「気を配る」というのは「相手が気持ちいい状態で過ごして欲しい」「相手に喜んで欲しい」「少しでもこの人の力になりたい」という思いから起こす行動です。
自分のことはどうでもいいけれど、相手の喜ぶ顔をみることで自分も嬉しいという「相手の事」を一番に考えて行う行為。
自分が行った行為に対して、相手がどう評価しようか、どう思われようかなんて考えていないのです。
ただ喜んで欲しい。ただ手助けしたい。

 

不思議なもので、相手を想って行う「気を配る」行為は、まず気疲れすることがありません。
逆に、行為によって相手が喜んでいる姿を見ると嬉しくて、エネルギーを受け取ってパワーアップしてしまう程。
こんな人からのエネルギーを受け取ると「役に立っている自分」を実感することが出来るし、「自分の存在価値」も認められます。
心が充実し、ますます相手に気を配ることをしたくなります。

 

今、男女間のトラブルだけでなく、社会の人間関係では「気を使う」ことばかりに気を擦り減らしている方がとても多いように思います。
「気を使って」相手の評価や顔色を見て、相手からのエネルギーを受け取ることも出来ず疲れ果て、「どうしてわかってくれないの?」と伝わらないストレスを抱えて爆発する。
喧嘩や言い争い、浮気や嘘…。

 

「気を配る」行為は、これまで育った環境で学ぶことなく大人になってしまった方がいます。
良い、悪いではなく、親がそもそも気を配ることがなく、自己中心的な方で、その姿を見ていたら「気配り」がどういうものなのかがわかりません。
気を配ることは出来ない代わりに、自分が良い人に思われたい気持ちは強くて「気を使う」
気がつくと周りの人間関係に疲れ果てていて「どうせ自分は・・・・」と嘆いている。

 

上手くいっている恋人同士や、仲良し夫婦を見ていると、お互いが「気を使う」のではなく「気を配る」ことが出来ているように思います。
「気を配る」ことがしあえる関係であれば、一緒にいてどんどんエネルギーが蓄えられて、幸せを感じる力も強まりそうですよね。

 

「気を使って」裏切られたと悲しむより「気を配って」二人の関係を良好にすること。
それが何より、喧嘩や浮気のトラブル防止につながりそうです。

 

改めて今一度ご自分の「気配り度」をチェックしてみてくださいね。